Mar 30, 2014

ラストフロンティア、アラスカ(1)「アンカレッジ」篇

こんばんわ。

『銀の匙』を読んでいます。
最近流行のほうではなくて、中勘助のほうですが。。。笑

物語性が高く、技巧にとみ、オチもある。
そんな作品もすばらしいと思いますが、

たった一行、むしろ、ただの一言。
胸に響くことがあったらいいと思うのです。

『......蚕が老いて繭になり、繭がほどけて蝶になり、蝶が卵をうむのをみて私の知識は完成した。それはまことに不可思議のなぞの環であった。私は常にかような子供らしい驚嘆をもって自分の周囲をながめたいと思う。人びとは多くのことを見なれるにつけただそれが見なれたことであるというばかりにそのままに見すごしてしまうのであるけれども思えば年ごとの春に萌えだす木の芽は年ごとにあらたに我れらを驚かすべきであったであろう、それはもし知らないというならば、我々はこの小さな繭につつまれたほどのわずかのことすらも知らないのであるゆえに。......』
(銀の匙 角川文庫)


さて、旅の終章アラスカ篇に入ります。
旅に出る前からこの地には、なぜか並々ならぬ思い入れがありました。
ラストフロンティア……「最後の未開拓地」と呼ばれるこの大地に。

アメリカ本土、サンフランシスコからアラスカ最大の町・アンカレッジへとやってきました。
外は雨。
でも、待てど暮らせどバスがきません。
それもそのはず、僕がアラスカの地に降り立ったとき、国民の休日だったのです。笑

ノーザンライツブルーバード。。。
いよいよ「ノーザンライツ」という響きが聞こえてきます。
(北方では、オーロラのことをそう呼びます)
メインストリート。
 TOKYOまで3460air ml.
ビジターセンターには、動物の剥製があります。
アラスカの国立公園の情報や、歴史なども学べます。
毎日のように通ったアウトドアショップREI。
この後に目指す「デナリ国立公園」での一人キャンプのための装備を探していました。

一人でキャンプをするためには、いろいろと調べることもありました。
デナリのキャンプサイトはネットでの予約制。
移動は事前にバスの予約も必要です。
ベアカントリーでもあるので、クマに対する知識も必要です。

慣れない英語サイトと格闘しながら、準備をすすめました。
ゆっくりと、でも確実に。
旅の収束へと向かって。。。
宿の冷蔵庫に張ってあった、ToDoリスト。
その通りだと思いました。

笑いましょう。僕らは、生きているんですから。


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Mar 25, 2014

アメリカの本屋さん(2)

こんばんわ。

続けて、アメリカの本屋さん(2)をお届けします。
今回は、かつてNYのアッパーイーストサイドにあった伝説的な本屋さんのお話から。

“ブックス・アンド・カンパニー”

1978~1997年まで営業。
独自の鋭い目線で選ばれた書籍といつまでもいたくなるような雰囲気で多くの文化人にしまれていました。
ポール・オースター、スーザン・ソンタグ、ウッディー・アレンらもその中のひとり。

『ブックストア ニューヨークで最も愛された書店』という書籍で旅前にその存在を知ったのですが、
そこまで人をひきつけた書店があった場所をどうしても尋ねてみたく、
ニューヨークに行くときには、必ずいこうと思っていました。

でもその跡地を探すのは容易ではありませんでした。
住所を調べるために英字のサイトを探り、現地にでかけるも見当たらず。
近所のレストランの人の聞いても、情報が古くて分からず。。。

結果、三度も足を運ぶことになりました。
そしてついに見つけたのですが。。。
ブックス・アンド・カンパニーが入っていた味のある建物は、まさに今、取り壊しの最中でした。
その存在を教えてくれるもは、工事の証明書に記された住所だけでした。。。

うえの写真を撮っていると、変質者と思われたのか、警備の人の声をかけられました。
『何を撮っているんだ?』
斯く斯く云々......かつてここに伝説的な本屋さんがあったんだよ。
『そりゃーずいぶん古い話だな。』
そうだよね。

帰り際に彼はこういいました。
『Everything is gone......』
切ない響きをもったその3語。。。
帰路に着きながら、何度も繰り返しつぶやいたのでした。。。


【McNALLY JACKSON BOOKS】
@アメリカ、ニューヨークにある本屋さん
◇入口正面には新作&注目作品。反時計回りにアート、フォト、ファッション、グラフィックやカルチャー。
 次いで政治や経済、アメリカの文学、ヨーロッパの文学など。中央には建築・インテリア、料理がおかれている。
 地下はポストカードやステーショナリー、児童書、心理学、シネマ、音楽、詩、哲学など様々。
 製本できる機械も設置され、カフェも併設。開放的で自由な雰囲気をもつまた訪れたい本屋さん。

【P.S.BOOKSHOP】
@アメリカ、ニューヨークにある古本屋さん
◇入って左手の本棚に、建築やデザイン、アート、哲学などがずらり。
 料理、歴史、キッズ、小説、詩、音楽など様々なジャンルを扱う。ポストカードも充実。

【powerHouse Books】
@アメリカ、ニューヨークにある本屋さん
◇イベントで入店できず。外から眺める感じでは、きちんと選書されてスタイリッシュな印象を受けた。
 イベント待ちの列ができることなどから、人気の本屋だということが推測される。

【おまけ、Kinokuniya(紀伊国屋)】

【SHAKESPEARE&CO BOOKSELLERS】
@アメリカ、ニューヨークにある本屋さん
◇入口から奥まで続く右手の本棚には、ベストセラーからアート、フォト、詩集、フィクション。
 左手にはフィルム、自伝、ミステリーなどが並ぶ。地下はセールブックをはじめ、哲学とか心理学など。
 名前の通りシェイクスピア関連の棚は充実していてる。
 一冊ずつ立てられた展示の仕方が印象的、奥に進みながらオススメを観ることができる。

【St Mark's Book shop】
@アメリカ、ニューヨークにある本屋さん
◇アート・フォトを中心に、ミステリーなどもおく。アフリカ・ラテン、アジア、中東、ヨーロッパの書籍も少々。
 奥には文学。インテリアが独特で、前衛的な雰囲気のある本屋さん。

【おまけ、ザイオン国立公園の本屋さん】

【City Lighst Books】
@アメリカ、サンフランシスコにある本屋さん
◇ビートジェネレーションと関わりの深い伝説的な本屋。老若男女、地元人・観光客を問わず、常に人でにぎわう。
 地下は映画、音楽、哲学からアジアンスピリチュアル、伝記、ヨーロッパや世界の歴史、ラテンやカリビアン歴史など。
 一階はノンフィクション、フィクション、18-19世紀の英語文学、ヨーロッパ文学など。
 二階は詩、ビート文学。店内にはビートニク関連の写真やポスター、メッセージなどが掲示されいた。
 伝統を守りながらも進化していく印象を受けた。

【アメリカの本屋さん、まとめ】
欧州とは違い、伝統を重んじるというよりも好きなように進化を遂げていく印象が強い。一方で、バーンズ&ノーブルなども独自の哲学をもっていた。電子書籍の普及にも力を入れている。どこか雑多で荒々しく、おもしろいことを追求する。アメリカらしい本屋が多かった。


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