Oct 9, 2013

見上げたチリ(2)「イースター島」後篇

こんばんわ。

今日は、一緒にダルトンハイウェイを走破した仲間を見送りました。
そして明日には、全員がまた、それぞれの旅路へと戻ります。

出会いと別れ。
何度も繰り返してきたこの瞬間ですが、やはり名残惜しいものです。


さて、今回は「イースター島」後編を紹介します。

イースター島の交通手段はほぼレンタカーしかありません。
仲間を集めて、車で島を回ります。

海岸沿いを東へ進むと、かつてモアイの切り出し場だった「ラノ・ララク」。
山全体が製造工場になっています。
山から切り出されたものの、村まで運ばれなかったたくさんのモアイ。
大きさや形、表情までもさまざまです。
ここでは397体のモアイが確認されていて、島最大のモアイ(高さ21.6m)もあるとか。
切り出し途中のモアイ。
珍しい、正座をしているモアイ
 
その後は、島の内陸に位置するアフ・アキビに。
普通モアイは陸を見つめて立っていますが、ここの7体は海を見つめています。
ここは夕焼けスポットでもあります。
そして、日本企業の援助によって立てられた15体のモアイがある「アフ・トンガリキ」へ。
モアイ観光のハイライトかもしれません。
夜空から朝日までを一気に。
太陽に照らされながら、徐々に表情が見えてくる15体のモアイ。
そのたたずまいは、神々しいものでした。

島の南西に位置する「ラノ・カウ」の火口湖。
イースター島は、いくつかの大きな火山によって出来たのだとか。
付近には、当時聖域とされていたオロンゴ儀式村があります。
一番奥に見える島に、鳥の卵を泳いでとりにいく宗教的な儀式が行われていました。

それを行っていた「鳥人」と呼ばれる人のイメージ図。
現在、世界中から観光客を集めるイースター島。
その中心にはやはり、モアイがいます。
けれども、モアイが見つめてきたものはこの島の悲しい歴史でもありました。

17世紀以降、部族紛争が激しくなり「モアイ倒し」が始まりました。
本来モアイには目がはめ込まれていました。
そこには霊力が宿るとされ、部族の信仰の対象にもなっていました。
だからこそ部族同士の争いが起こったとき、モアイを倒して目を破壊することで、
闘う意志を打ち砕いたという説もあります。
モアイの修復中に偶然みつかったモアイの目。
大洋の孤島......
かつて命と引き換えに海を渡り、ここにたどり着いた人々。

やがてその数は増え、部族が形成され、様々な軋轢が生じはじめました。
部族の力を誇示するため、より多く、より大きなモアイが作られました。
そしてモアイを運ぶために島のあらゆる木が切り倒され、二度と木々がその地に戻ることはありませんでした。
木を失った大地は痩せ、植物は茂らず、人々はますます貧困し、争いを繰り返す。。。

僕はイースター島で起こったことを、現代の縮図ではないかと考えています。
自然を無尽蔵に掘り返し、人々はいがみあい、やがて奪い合う。
そして争いは止むことなく繰り返される。。。

『森を失った文明は、やがて滅びゆく』
うる覚えですが、おそらくジブリ作品のひとつに、こんなフレーズがあったことを記憶しています。

その下に立ち、見上げたモアイ。
彼らの目には、今の僕たちの世界はどう写っているのでしょう。


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