Oct 2, 2013

感悟のパタゴニア(10)「ココロノコリ」篇

こんにちは。

明日からいよいよダルトンハイウェイを北上します。
北極海にでれるか、否か。
行ってみないとわかりません。笑


さて、全10回にわたったパタゴニア篇も今回で最後になります。

トランキーロからバスを乗り継ぎ、コヤイケへ。
道中の景色はすごく綺麗です。
コヤイケに到着
とりあえず宿を決めて、ご飯を食べにいくことに。
たくにーと、たにーはチキン。
僕はスープ。。。

食べ終わってしばらくすると、なんだか胃のあたりに違和感が。
急に気持ちが悪くなってきて、宿にもどると嘔吐と下痢。。。
しばらくトイレから出られない状態が続き、震えが止まらない。。。

なんとか眠りについて状態は良くなりましたが、
身の危険を感じるほどの震えでした。
食あたりというよりもアレルギー反応に近いような症状。
食事の何が原因だったのかはわかりませんでしたが、
そのあとしばらくは、現地レストランに入るのが怖くなってしまいました。

回復したころ、パタゴニア最後の目的地・チャイテンに向かいました。

ここには、度々紹介する映画「180°SOUTH」に少しだけ登場する、コルコバド山があります。
決して有名な場所ではないのですが、富士山のような山容を持つ美しい山です。

一方でこの町は、2008年のチャイテン山の噴火によって壊滅的な打撃をうけました。

“コルコバド山を見て、パタゴニアを終えよう!”と思っていたので、
この町に5日ほど滞在しました。
でも天気がずっと悪くて、常に曇りか雨。

しかもツアーなどはなく、現地の漁師さんと交渉して近くまで連れて行ってもらうタイプ。
インフォメーションセンターを通して尋ねてみると、750ドルだとか!(高)
それとなく沿岸警備隊にも聞いてみるも、やっぱりダメで。。。

フェリーの期日がきてしまい、泣く泣くチャイテンを離れることに。
そしてその後は、プエルトモン→サンチャゴと移動。
途中、南緯40度を越え、パタゴニアを終えたのでした。


ウシュアイア→プンタ・アレーナス→プエルト・ナタレス→エル・カラファテ→エル・チャルテン→ペリト・モレノ→ロス・アンティゴス、チレチコ経由トランキーロ→コヤイケ→ラ・フンタ経由チャイテン→ケジョン経由プエルト・モン→サンチャゴ。

ほぼ毎日のように大自然と遊んだパタゴニアの約一ヶ月半。
長田弘さんの詩をくりかえし想いました。
*******************
【樹、日の光り、けものたち】

樹が言った。きみたちは
根をもたない。葉を繁らすこともない。
そして、すべてを得ようとしている。

日の光りが言った。きみたちは
あるがままを、あるがままに楽しまない。
そして、すべてを変えようとしている。

けものたちが言った。きみたちは
きみたちのことばでしか何も考えない。
そして、すべてを知っていると思っている。

樹は、ほんとうは、黙って立っていた。
日の光りは、黙ってかがやいていた。
けものたちは、黙って姿をかくす。

どこでもなかった。ここが、
われわれの居場所だった。
空の下。光る水。土の上。
*******************
いま振り返ると、パタゴニアでの感悟が、
先の旅に、ひいては人生に大きな影響を与えているように思います。


そして、それと同じくらいパタゴニアには大きな「心残り」を残しています。

『アウストラス街道』
それは、パタゴニア周遊のハイライトといってもいい場所。
中国で出会ったひとりの旅人からその存在を教えてもらい、
南米で出会ったたくさんの旅人から詳しい情報を聞いていました。

そこにあるのは「世界一美しいといわれる林道」です。

車やフェリーを乗り継ぎ、国境を越え、22kmを歩く。
徒歩で越える林道の景観がすばらしいというのです。
(そこを示すのに“アウストラル街道”という表現は適切ではありませんが、愛着を込めてここではそう呼びます)

旅の序盤に教えてもらい、ずっと覚えていた場所のひとつ。
そのためにパタゴニアを目指したといっても過言ではありません。

でも僕が訪れた頃にはシーズンが終わって、交通手段がないことがわかりました。
他の手段で何とかいく方法はないものか?
でも、諦めざるを得ない状況でした。

シーズンの恐ろしさを知りました。
自分の計画性のなさを責めました。
でも、ないものはないんです。

悩みぬいた末にたどり着いのは、
「うまくいかないこともまた、旅なのだ。 大きな心残りとは即ち、再来の大きな理由になる」

必ずもう一度、パタゴニアに。


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