Apr 11, 2014

ラストフロンティア、アラスカ(4)「デナリ国立公園」後篇

こんばんわ。

昨今、アラスカを撮り続けた写真家・星野道夫さんの書籍を手に取ることが多い気がします。
ここでアラスカのことを書いているからか、
あの自然の触感を、とても恋しく感じています。
あの、こころをなだめてくれる感覚を。


さて、今回は「デナリ国立公園」後編です。

僕がアラスカを最後の目的地に選んだ理由はいくつかありますが、
中でもショーン・ペン監督が撮った『into the wild』の影響は、ことのほか大きかったように思います。
裕福な家庭に生まれ、エリート大学を卒業した主人公。
でもあるとき、お金やIDを捨て、アラスカへと旅立ちます。。。

『彼女は人生の目的に改めて気づいた。魅力的な自然の意味を理解し、物事を正しい名前で呼ぶこと』

このブログでも何度も紹介しているかもしれない劇中の引用です。
デナリ国立公園では、その意味を少しだけ肌で理解したように思います。

デナリ……それは、マッキンリーとも呼ばれる山。
ネイティブの言葉で『偉大なもの』『高いもの』という意味があります。
国立公園の深部にどっしりと鎮座し、圧倒的な存在感をかもします。
そこへ導かれるように続く道を行けば。。。
雲の向こうに。。。
山自体は白トビしていますが、、、
アイルソンビジターセンターから見えるデナリの全貌。
ビジターセンターからさらに奥へ。
見所と名高いワンダーレイクを目指します。
その手前には、鏡張りのビューポイントがありました。

圧巻でした。
神々しささえ感じました。
そして、バスをおりて歩くこと1時間弱。
メインロードから外れ、茂みに残るわずかなわだちを目印に歩き、
ワンダーレイクとデナリを望めるポイントを見つけました。

あまりの壮麗さに、じーっとその場所にたたずんでいました。
むしろ、ずっとここにいたいとさえ思いました。
時間、雑念、感覚、すべてを吹き飛ばすほどの引力。。。

思えばバスに乗りながら、最初にその姿が見たときから、
僕はこの山にとりつかれたような興奮を覚えていたように思います。

そんなときでした。いままで曇っていた空が晴れはじめ、
太陽が顔をのぞかせました。











『......よく来たな』










どこからともなく、そんな声が聞こえたようなその瞬間。
歓喜に体が震えたことを覚えています。

“もう、旅を終えてもいい”
この瞬間のこの景色は、そこまで思わせる力があったように思います。

ありがとう。
たった一人でデナリと向き合い、何度も何度もこぼれた言葉でした。

物事を正しい名前で呼ぶ意味を考えながら「デナリ」を後にし、
アンカレッジへと岐路へとついたのでした。


英語サイトの攻略から始まり、
キャンプようの食材や装備の調達。
ずぶぬれになりながらのテント設営&ご飯。
濡れた薪に火が灯らず、震えた時間。。。
そんな中でも温かく声をかけてくれた子連れのドイツ人の旅夫婦。
そして、アンカレッジに帰る日に出会い、日本でも再会できたご夫妻。

大変なことも多かったけれど、
一人でやりきったことに意味があったように思います。
ひとりで大自然の中に身をゆだねたこと。
それは僕にとって、
今後の人生の大きな示唆を予感させるものでした。


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